日々街を飲み歩く事が公私混同的ライフワークの一部になっているのだけど、どんなに好きでも男女の関係と同じく長く付き合う間には必ず倦怠期という奴が訪れる。プライベートだけならいざ知らず仕事も絡む街に対しての想いに倦怠期はやはりまずい。好きな相手や事と長く良い関係を続けていくにはやっぱり何らかの努力と工夫が必要だと思う。
って言う事でそんな倦怠期が訪れる前に自分は時々自分を街と間逆の世界に連れて行くことにしてる。街は殆ど全てが人によって作られてる。自然と人のバランスは限りなく1対99ぐらい(特に自分が好きなネオンひしめく裏路地ワールドなんかね)。だからその間逆の自然と人のバランス99対1の世界に自分を連れて行く。そーしてヘトヘトになるまで自然と戯れてくると、また街が恋しく少しだけ新鮮な気持ちで向き合えるようになる。
今年もGWの後半を使ってそんな不純な動機のリセットジャーニーに行って来た。
今年行ってきたのは北アルプス槍ヶ岳北鎌尾根。
夏には捜索協力も合せて過去2回程行った事があるけれどまだまだ雪の残る春に行くのは今回が初めて。大渋滞の中央高速を抜けて一路上高地へ。初日は上高地の入り口「沢渡」に車を停めて(一般車が入れるのはこの辺まで)駐車場泊。翌朝夜明けと共に身支度整えタクシーで上高地入り。いよいよリセットジャーニーの始まり。
普段は一般観光客でごった返す河童橋周辺も震災の影響でか大分静か。
カレーとソフトクリームが美味い徳沢園を越え、唐沢方面への分岐となる横尾を過ぎ、槍沢ロッジを抜けるといよいよ一面の銀世界に突入。
槍ヶ岳への長い長いアプローチを途中の大曲で右に折れ遥か向こうに見える稜線のコル(低いところ)三俣乗越目指してひたすらよじ登る。
ヘロヘロになってコルに辿り着くと銀色に輝く北アルプスの稜線が視界に広がり、またこの非日常的世界にやってこれた感慨に暫し耽ってみる(実際はヘーヘーハーハー言ってるんだけど)。
そして今日の幕営地北鎌沢出会い目指して天井沢を一気に下る。夏はガレガレの嫌なアプローチだけど雪が付いてるおかげでシリセードで一気に下れる(これが雪山の良いところ)。
本日の宿屋を完成させたら
一杯やりながらひたすら雪溶かして水作り。
沢スジだけど流れる川は雪のはるか下。明日はテン場に辿り着くまで水場なんて一切無い。水作って食事済ましたら日暮れと共に就寝。街ではありえないサイクル。そして、もしかしたら街ではまだ呑んでる朝4時起床。いよいよ今回のメインイベントが始まる。
北鎌沢右股を一気に詰めと言いたいところだけれど日頃の不摂生が祟ってヘロヘロになりながらひたすら傾斜の強くなっていく沢スジをコルに向けて詰める。リーダーに大分遅れを取り申し訳ない限り、、、。
風雪が何人もの命を奪ってきた名ルートにおいて申し訳ないぐらい申し分の無い快晴、ハラハラドキドキワクワクな稜線越えが始まる。独標を越えるとドカンと目の前に槍ヶ岳がお目見え。
後は見えつ隠れつする槍ヶ岳を目指してひたすら稜線を越えていく。最後のピークP15を越えると槍を前に北鎌平という気持ちの良い大きな一枚岩に辿り着く。そこで暫し大休止&槍バックに記念写真パチリ。
リーダーと偶然出合ったリーダーのお知り合い
スミマセン本当はかなりヘロヘロなのになんかエラソーです 汗
単独で来てたリーダーのお知り合いは今晩この北鎌平独り占め常態で幕営との事。それもまた魅力的なれど、槍越えて小屋まで行けばビールがある。自分達はとにかくビール呑みたい一心で最後の槍越え。
リーダーかっちょよいです。
少し難しい頂上直下のチムニー懸念しながらフリーで雪壁と岩よじ登ってたらひょいと祠の裏に出てしまい、あっけなく槍のピークに。核心は雪に埋もれててラッキー。
誰もいない自分達だけの3180mは360度銀世界の景色を自分達にプレゼントしてくれた。
日本で5番目に高い地面。眼下にはビールが買える小屋も見える。
この稜線が北鎌尾根。この稜線ずーっと登って来たのです。
そしてこれが「アルプス1万尺♪小槍のし-たで♪」って曲に出てくる小槍
4級程度の岩ルートだとか。でももー今日はビールが待ってるんでいーです。
後は下るだけ。いやーこの達成感は毎度たまらない。
そしてまた酒宴。ビールのあとはちと奮発して持ってきた余市15年のモルトを雪解け水沸かしてお湯割にしながらご満悦。
まあ、この状況下では何飲んでも美味いんだけどね。
そんなこんなで今春もしっかりリセットジャーニーしてきてもうヘロヘロ。
しっかり街が恋しくなって「さー呑むぞー繰り出すぞーチャージ」満タンであります。
でも不摂生の体力不足は夏のリセットジャーニーに向けて課題も山積み。まだまだトレーニングもしなきゃ。
無事街に舞い戻ってきた翌日。千葉鴨川で作ってるカフェの打合せの後、雨で延期になってた逗子海岸映画祭「180°SOUTH」の上映があるってんで行ってみた。
山から下りてきたとたん天候は下降気味。土曜日もあんまり天気良くなかったけれどなんと日が暮れると共に天気回復。気持ちの良いサンセットとなった。
昨日3000mなとこに居たのに翌日は海抜0mの海岸で呑む事も出来る。人って面白い。
まずは鎌倉野菜とトルティーヤ摘みながらハートランド。
映画上映の前、木内鶴彦さんって人が興味深い講演をしていた。
目の前で見てる人と犬も興味深かったけど、、、、とにかく行儀良く聞いてたなこのワンちゃん。
臨死体験の話、お金の話、地球と共存していくって事等々。興味のある人はこちら
http://homepage.mac.com/apt.4/kiuchi/Kiuchi.html
そして日が暮れてとっても見たかった「180°SOUTH」が始まった。
パタゴニアの創設者イヴォン・シュイナード、ノースフェースの創設者ダグ・トプキンス。若かりし頃の2人が共に旅した当時の記録映像に魅せられた主人公がその工程を辿るドキュメントなんだけど、途中出てくるイースター島でのサーフィンシーンに逗子海岸の波の音がリンクし、スクリーン脇の夜空に三日月が浮かび、シアター天井には星がちらほら。こんなシアターでこんなにリンクした映画をそれも呑みながら仲間と見れる贅沢。
山から下りてきて自然の中でこの映画を見れて本当に良かったと思う。こんな企画を主催したシネマアミーゴ&シネマキャラバンに本当に感謝。来場者数も初年度を上回って盛況だったらしく既に次のキャラバン地を検討中だとか、、、、。暫く気になる存在だね。
映画も本当に良い映画だった。この後東京では下高井戸の映画館でも上映するみたい。お薦め!ジャック・ジョンソンを主軸としたゆるいサントラも良かったなー。
オフィシャルサイト http://www.180south.jp/
恵比寿戻ってきて久々のダイネーバーでおタキさんと呑み、エンジンかかってきてトラックに藪の顔見に立ち寄って角ハイの後〆のギネス呑んでたらあっという間に空が明るくなってきた。
翌日も神奈川方面呑み。大船の観音食堂で遅い昼からゆるりと菊正ヌル燗。
こっち方面で昼からゆるりと呑める貴重な大衆食堂。
コピーがいかしてます
横浜に戻ってスリーマティーニのカツサンドが食べたかったのにまさかの連休。相方が昔行った事があるって石川町のおでんやに進路変更。日曜日もやってる貴重な店「石川屋」。
お母さんが上品で、つまみが上品で、おでんは普通だったけどむぎとろめしが劇的に美味かった。揚げ焼きオロシ。
なんでもないのになぜか美味い。名バーテンダーの作る水割りが美味いように、ちゃんとした板前さんがお揚げ焼くとやっぱり違う。
そしてむぎとろめし。
注文聞いてから摩り下ろすから意外と時間が掛かる。
どばーっと掛けてじゅるじゅるっとかき込むのです。
「むぎとろめし」これ食べる為にまた来たくなる味。
その後久々に八木さんとこの四角い横浜ピザ食べようと元町の方のIG寄るもここもまさかの臨時休業。
代わりに中華街に戻って昔懐かしき「徳記」にてねぎそば食べて、いつも気になる一度は泊まってみたい宿を定点観測したら
〆はやっぱり少しちゃんとしたカクテル呑みたくなって(スリーマティーニ本当に行きたかった)名店「カサブランカ」、そしてカサブランカから独立した「カサブランカ片野酒類販売」とマティーニ梯子。共に横浜を代表するクオリティーで久々にカクテル談義に花が咲く。酒も飯も十分摂取して終電ギリギリで東京に戻る。
あれだけ呑んで、あれだけ食べたのに恵比寿に辿り着くと小腹が減ってる。山でのストイックはどこへやら。煩悩の赴くままにひたすら呑みにエンジンが掛かる。
結局アニキ研さんがダイネバーでやってる「日曜酒場」で禁断の日曜深夜酒。
アニキの絶妙なアテで小腹を満たし、ゆるゆるパスティスロック重ねていたらまた夜が明けてしまった。
週中は名古屋へ打合せ。
業務終了したら一路名店「大甚」へ。変らぬ風格、変らぬ居心地。
佃煮でヌル燗の至福。
暫くしたらとり貝酢味噌、きざみはもの甘たれ、殻つき茹でしゃこ。
ちょこちょこアテを求めて席を立つのもまた楽し。途中でラガー小瓶をもらいノド潤して、〆て2530円の至福。
のぞみに飛び乗り一眠りしたら、お馴染み兵六に。山から下りてくるとなんだか随分久しぶりのような気がして何故か懐かしき兵六也。梅にんにくで無双2つ。
今日は久々にアヤノズバーにでも顔出そうかな。
明日は兵六常連恒例の散歩会。当然昼からだらだら呑み。
そして0:00からは恵比寿NOS7周年ライブイベント。
NOSも立ち上げてから早いもんでもう7年。明日のイベントは相当盛り上がりそう。
興味ある人は是非!
http://www.nos-ebisu.net/?p=273